松田ウイメンズクリニック

 

治療にあたる医療者が幸せでなければ、
治療を受ける患者さんも
幸せにはなれない

 

松田ウイメンズクリニック院長 松田和洋先生

2000年に南九州初の不妊治療専門クリニックとして鹿児島市にオープンした松田ウイメンズクリニック。鹿児島で生まれ育ち、雄大な桜島を毎日目にしているという院長の松田和洋先生は、まわりの人から、親しみをこめて「カズ先生」と呼ばれています。

 

スタッフが還暦のお祝いをしてくれました

混声合唱団で指揮を担当、仲間は一生モノ

鹿児島で生まれ育ちました。小学生の頃の夢は「世界平和」。とはいえ、小さい頃は引っ込み思案の臆病者でしたね。
数学、理科、英語、そして体育と音楽が得意科目でした。大学時代には、100人ほどの混声合唱団に入っていました。大学3年、4年時は指揮者として音楽に没頭し、医学部の講義にはほとんど出ていませんでしたね。でも、そこでいろんな学部の人間に、人としての基本を鍛えられたと思います。
今もそのときの仲間と親しく付き合っています。仲間は一生モノですね。

会社員に疑問を抱き、医師を志望

医師を目指したのは、中学生のときです。
企業だと管理職など中間の人がいて、いろいろややこしそう、と思ったのです。間に人がいない職業は何だろうと考え、医師と患者は直接対面する仕事だと思い、それを進路に考えるようになりました。
鹿児島大学医学部を卒業したとき、私は血管外科を志望していました。研修をした鹿児島市立病院の誘いを断って、師事する先生がいた病院へ入局したのです。しかし1年後、その先生が経営陣とぶつかり、複数の医師とともに私も退職しました。
そんな折り、鹿児島市立病院の産婦人科から「新生児センターがあるから、そこで小児血管外科をやれるよ」と再び誘いを受け、入局することに。

そこで周産期医療について約1年間学んだあと、アメリカ・カリフォルニア州のロマ・リンダ大学に2年半ほど留学しました。帰国すると僕の席がまだなくて、ちょうど辞める医師がいて、その後任として生殖医療(不妊治療)を担当することに。1990年頃のことです。
僕の場合、当初から生殖医療を志したわけではなく、状況的にやらざるをえなかったというのが実情です。以来30年弱、生殖医療に携わってきました。

 

2018年のESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)にて。展示ブースにあった精子の自転車に乗ってみました!

独立後、集中して治療ができる喜び

市立病院で生殖医療を担当して約10年後、1999年に開業を考え、その年の8月から準備を始めました。福岡県で詠田由美先生が不妊治療専門クリニックをオープンされていたので、見学にも行きました。
そして、2000年3月に鹿児島市内にクリニックを開院しました。
生殖医療に専念するために、好きだったお産をできなくなるのは、つらかったですね。病院では、お産を助産師に任せるのではなく、赤ちゃんを自分でとりあげていましたから。
しかし、独立してからは専門分野に集中して専念できるようになったのはうれしいことでした。検査も自分たちでできるので、時間のロスが減り、フットワークも軽くなりました。
鹿児島のシンボル、桜島と。

 

鹿児島は温泉がたくさんあります。ホッとするひとときです。

 


毎月の交流会、スタッフのまとまりが自慢

スタート時には5名だったスタッフは、現在26名。まとまりがあるのが自慢です。毎月食事会をしたり、なにかと行事を作って全員で参加したりしています。業務が終わったあとに院内で鍋パーティをすることもありますよ。

胚培養士と看護師は、ふだんはなかなかコミュニケーションがとりにくいようですが、交流会を行なうことで、それぞれがお互いのことを知り、仕事内容への理解も深まっています。
スタッフの結婚式で、出し物や映像を披露したこともありますよ。本人に気づかれないように、こっそりと練習を重ねたのです。僕は嵐やAKB48の振り付けで踊りました。
音楽はクラシックからジャズ、邦楽、民謡まで、ジャンルの区別なく好きなものがたくさんあります。本当は歌うことが大好きなのですが、7年前に頸髄の手術をしてから声が出なくなってしまったのです。
それから、スタッフのモノマネ、とくに歩き方などは上手いですよ。人間観察が好きなんですね。

 

毎月、なにかしらのスタッフ交流会をしています。
バランスボール(青)に乗って診察しています!

 


大切にしている「4つのS

この仕事のやりがいは、患者さんとface to faceで付き合えるところ。難しさは、患者さん全てに対して、100%の成功は約束できないところです。
私の医療への具体的な信条は、「治療にあたる医療者が幸せでなければ、治療を受ける患者さんも幸せにはなれない」。そして、「Smile(笑顔)、Sincere(誠実)、Speed(迅速)、Smart(洗練)」の「4つのS」を大切にしています。

 

スタッフの家族といっしょにお花見を楽しみました。

不妊治療をしている人、妊活中の人に伝えたいこと

自分のことをしっかりとよく知って、治療に臨んでください。家族を持つことの選択肢も、いくつかあることも知ってください。
後悔しないように。そして、必要なときには、休むことも大事です。妊娠を一番に考えないで、「いろんなことを楽しみながら妊活もする」くらいのほうが心も軽くなると思いますよ。深刻に考えないで、気楽に。
「ケ・セラ・セラ(なるようになる)」くらいのほうが、うまくいくように感じます。

PASサポーターになったきっかけ、Fineに期待すること

患者さんのために頑張っているFineを支援するのは、生殖医療をやっている施設であれば当然です。主体は患者さんですから。
Fineが休むことなく、常に前進しているところを尊敬します。これからも頑張ってください。今の活動をキープして、初志貫徹でお願いします。

 

 

HP:http://www.synapse.ne.jp/~kaz/