
人生をかけて治療する患者さんを
真剣にサポートしたい
明大前アートクリニック院長 北村誠司先生
総合病院や不妊治療専門クリニックで、約30年にわたって不妊治療に携わってきた北村誠司先生。一人ひとりの患者さんに向き合う理想の診療を目指して、2018年2月に東京・明大前に明大前アートクリニックを開院しました。
子どもの頃、歯科医なろうと思った。
母の歯を治してあげたかったから
小学生の頃は足が速いのが自慢で、野球やサッカーに明け暮れていました。当時の男の子の多くが憧れたように野球選手になりたかったのと、歯科医もいいな、と思っていました。おふくろが歯が悪かったので「それを治してあげたい、喜んでほしい」という思いからです。
しかし、小学校高学年になって中学進学を考えたとき、いくつか検討した志望校には歯学部がなかった。そこで両親の勧めもあり、医学部がある慶應義塾普通部を志望しました。医師といっても、まだ漠然としたイメージでしたね。
医局の雰囲気が好きで産婦人科へ。
命を生み出す医療に出会い、「自分の道はこれだ!」と確信
慶應義塾大学医学部6年のとき、外科や泌尿器科など、さまざまな診療科で臨床実習をしました。産婦人科を選んだのは、医局の雰囲気がとてもよかったからです。楽しくて優しい先生が多かったですね。
医師になって2年目に、重症患者さんに対応する3次救急病院に赴任しました。がんで治療をしても治らずに亡くなる方々に向き合い、医師として無力感に襲われました。そんなとき、産科で新しい命の誕生に触れると、気持ちが癒やされることが多かったですね。
その後、赴任した済生会中央病院は、当時、東京で体外受精を行なっていた三つの施設のうちのひとつ。そこで、精子と卵子という細胞から命を生み出す生殖医療に出会い、「自分の道はこれだ!」と確信しました。その後荻窪病院、その不妊治療部門である虹クリニックを経て、2018年2月に明大前アートクリニックを開院しました。トータルで約30年、生殖医療に携わっています。
病気を治療してよくなるのは産婦人科も他の科も変わりませんが、生殖医療が他科と違うのは、「新しい命を生み出す」こと。そのお手伝いをして、患者さんの期待に応えることが、この仕事のやり甲斐であり、醍醐味ですね。
